"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
彼の指が優しく真琴の涙を拭う。

「私は、好きになれるでしょうか……人間、を……」

「まずは俺を好きになれ。俺が傍にいて見守るから」

「でも、専務を好きになったら、きっとたくさんの憎悪が私に向けられます。私は耐えられません」

「大丈夫だ。君が、俺を受け入れて、俺だけを見てくれれば、俺が全力で守る」

頼っても良いのだろうか、本当に守ってくれるのだろうか、不安は拭えない。彼の琥珀色の瞳は、真琴をしっかりと見つめている。どう応えれば良いのか……

「お願いがあります」

「何?」

「お友達、お友達からお願いしたいです」

彼の目を真剣に見つめ返し応えた。今の真琴にとってそれが精一杯だったのだ。

彼の動きはピタリ止まり、瞬きだけを繰り返す。そして、うんうんと頷いた。

「お友達か、お友達な。少しだけレベルアップか」

彼の表情に柔らかい笑みが浮かぶ。大きな手が、真琴の頭をポンポンと優しく包んだ。

「次に目指すは恋人だな」

お友達からなど、大の大人が言うことではないのかも知れない。けれど、彼は蔑むことなく受け入れてくれた。

「ありがとうございます、恭平さん」

「おっ!そこもレベルアップなんだな」

「はい、お友達ですので」

真琴は照れを隠すように俯いた。
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