"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
「兄さんはストイックすぎるんだよ。何もかも完璧で、息苦しくないのかなぁって、ずっと思ってたんだ。本人はそれがいたって普通なんだろうけどね。女性には凄くモテるし、言い寄ってくる人のことは大抵受け入れてたけど、来るものは拒まず、去る者は追わずって感じで、本気になった女性なんて見たことなかった。だから、恋愛だっていつもクールだったんだよ。それは、従妹のせいでもあるんだろうけど」

「従妹って、確か、雪乃さんでしたよね」

「うん、雪乃ちゃんの兄さんへの執着は尋常じゃなくて、兄さんに近づく女性には必ず攻撃する。兄さんもそれをわかっているから、言い寄ってきた女性には必ず警告するんだ。それでも良いなら付き合うって。でも、結局離れていく、その繰り返し。恋愛に無駄なエネルギーを使いたくなかったのかもしれない。フランスに行ってからは、大好きなワインに囲まれていたこともあってか、兄さんの辞書から恋愛が消えてしまったみたい。そんな兄さんがだよ、女性に一目惚れして、アプローチの仕方がわからずに、彼女と話したい、自分を記憶に残して欲しいってだけなのに、変な方向に行っちゃって、結局傷つけたって落ち込んで、もう本当小学生みたいで、あぁ、兄さんにもこんな面があったんだなぁ、兄さんも人なんだなぁって、嬉しくなったの。さっきのやきもちも笑っちゃった。素敵な女性が真琴さんだったっていうのも青天の霹靂。それから……」

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