「好き」って言ってよ!
奈帆は頭を下げている青葉から目をそらすと、気持ちを落ち着かせるように深呼吸をした。

それから彼に視線を向けると、口を開いた。

「ーー考えさせてもらえませんか?」

そう言った自分に青葉が顔をあげた。

「昔のことを謝られて、それで婚約破棄したくないって言われて困っているので…そう言う訳なので、考えさせてもらえませんか?」

「…いつまで?」

青葉に聞かれたので、
「えっと、1週間とか10日とか…」
と、奈帆は答えた。

「わかった、待つ」

そう返事をした青葉がベンチから腰をあげたので、奈帆も腰をあげた。

「行こうか」

そう言って歩き出した青葉の後ろを追うように、奈帆も歩いた。

自分から話しかけるのはもちろんのことだが、青葉も自分に話しかけることはなかった。
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