「好き」って言ってよ!
「君のことが好きだから結婚したいし、愛しているから婚約破棄をしたくないーーこれが僕の気持ちだ」

そう言った青葉を見つめることしか奈帆はできなかった。

今の今まで“婚約破棄はしない”の一点張りだった青葉の気持ちを聞いたのは、今日が初めてだった。

(私は、どうしたいんだろう…?)

彼の気持ちを聞いた奈帆は自分に向かって頭を下げているその姿を見つめることしかできなかった。

今までのその態度から青葉は自分のことが嫌いだと思っていたし、自分と結婚するのも周りに言われて仕方なく…だと、そう思っていた。

婚約破棄の話が出た時は大喜びをしたし、もうこれで何もかもが終わる…と思っていたのだが、婚約破棄は自分の勘違いだったうえに半ば強引に一緒に暮らすことになってしまった。

何の流れなのかはよくわからないが、デートをすることになって…今日初めて、青葉の気持ちを耳にした。
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