猫はこたつで丸くなる。 私は君で甘くなる。
「二人とも可愛んだから」
トウヤがそう言いながら、私とマロを撫でる。「にゃあ」とでも鳴いてやろうかと思ったけど、さすがに恥ずかしいからやめた。
「来世は猫がいいな」
恥ずかしくて顔は見れないから、トウヤの胸元に顔を埋め直して呟く。
「俺は人間としてまた千歳に会いたいけどな。生まれ変わっても」
「トウヤの飼い猫になって、末長く甘やかされて生きたい」
「えー」
不満そうな声に、つい笑ってしまう。
「来世も奥さんとして甘やかされて生きればいいじゃん」
「それでもいいけど」
「猫よりお得だよ? なんてたって、ちゅーもできちゃう」
ふざけたふりして、私の頬に、髪に、おでこにキスをする。最後にはとびきり甘く唇にも。
「そんなの猫だってできるでしょ」
ふんっと笑えば、トウヤの目が丸くなった。
「今の猫っぽい」
「猫が好きなのか、私が好きなのか、はっきりしてよ、もー」
「千歳が好きで、猫も好き。猫っぽい千歳は、もっと好き、かも? ますます好きにさせないでよ、もうこれでも会えない期間ずっと我慢してるんだから」
トウヤが苦しそうに呟くから、本音を聞けた気がして嬉しくなってしまう。トウヤは寂しいも、辛いも絶対私の前で弱音を吐かない。それが強い人だと、私は思わない。
結婚するなら、弱音も吐ける相手に私はなりたいのだ。
「素直にやっと言った」
「なにが」
「トウヤ弱音絶対吐かないでしょ」
「だって、格好悪いだろ」
「ううん、トウヤの全部知りたいの」
トウヤの頬を包み込んで、目線を合わせる。トウヤの瞳が少し潤んでいて、正直びっくりした。