地味系男子が本気を出したら。
◆season8:中1秋

大切な人 桃乃side



夏休みが明けた初日、私と大志は咲玖に付き合うことになったことを報告した。


「え……」

「だから、私たち付き合うことになったのよ…」

「ごめんね、さっちゃんには直接話したくてずっと黙ってたんだ」

「……っっ」

「!? 咲玖!?」
「さっちゃん!?」


急にブワッと泣き出す咲玖を見て、私たちは大慌て。


「ちょっ、咲玖!泣かないでよ…!」

「僕らが付き合ってもさっちゃんとはこれまで通り、親友だよ…!」

「…ちがうの」

「え?」

「う、うれしくて……」

「咲玖…」

「なんか上手く言えないんだけど、すっごく嬉しい…!」


ポロポロ涙をこぼす咲玖の頭をポンポンと撫でる。


「ありがとう」

「さっちゃんにそう言ってもらえるのが、一番嬉しいよ」

「うん…うん…っ!」

「ちょっと鼻水出てる!これから始業式なのに」


ティッシュを取り出して咲玖の鼻をかむ。


「二人とも、これからも私と遊んでくれる?」

「当たり前でしょ」

「これからも三人で遊ぼうね」

「てゆーか、変に気遣ったりとかは絶対やめてよ?私たちが親友なのは変わらないんだから」

「桃ちゃん…っ!」

「桃、これ以上さっちゃん泣かさないで」

「私のせいじゃないでしょ!?」

「あははっ」


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