地味系男子が本気を出したら。



…ああ、どうしよう。

気持ちが通じ合うって、こんなに幸せなことなんだ――…

ダメだ、すごくにやけちゃう…!!



「…あんまり見ないで。恥ずかしい」



いや、かわいい……。

僕の彼女かわいすぎる……。


笑った顔も怒った顔も悲しんでる顔も照れてる顔も、全部がかわいすぎて困る。


「桃、こっち向いて」

「……」

「もーも」

「〜っ、もう…っ!」

「やっぱりかわいい」

「ど、どこが…っ!?」


全部だよ。
君のすべてがかわいくて愛しくて仕方ないんだ。

でも、それはこれからじっくり教えていくね。

僕の前ではありのままの君でいて。
どんな君も、どんな時でも受け止める。

もうつらい涙は流さなくていいように、僕が幸せにするから。

僕を選んでよかったって思ってもらえるように、君を笑顔にしてみせる。


「これから、よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」


そう言って、お互いに笑い合った。


絶対に彼女を幸せにすると決めた、中1の夏。
僕はこの日を忘れることはないだろう。



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