君がたとえあいつの秘書でも離さない
そう言うと、全てお盆にのせて颯爽と運んで行ってしまった。
会議室では、最終的に堂本コーポレーションの資本崩し、同時に副社長の過去のゴシップをあげることで話し合いが無事終わっていた。
皐月が入ったときにはすでに話が終わり、原田頭取は帰るところだった。
原田親子が出ていった後、石井親子はコーヒーをすすりながら、話していた。
「ゴールデンウィーク中に週刊誌で記事は出ます。会社も休みなので対応が遅れるでしょう。すぐに、銀行関係も動くでしょう。匠さんのことを理由に傘下が離脱します」
「で、お前の秘書はどうする気だ?」
「近いうちに、もう一度匠さんに彼女と別れるように言ってきますよ。週刊誌の記事が出てから匠さんの周辺も取材されるでしょうから。彼女を巻き込みたくないなら今のうちに別れるしかないんですよ」
「……お前。ウチの利益を上げるためとはいえ、やることがえげつない。彼女の心をそんなんで得られるとは思えないけどな」