君がたとえあいつの秘書でも離さない

 事情を説明し、体調不良ですぐには転職はできないこと、できるなら弘さんから身を隠したいこと。
 いずれ、清水物流でお世話になるかも知れないので、関東のどこかの支社の近くに住まいを移したいこと。
 身を隠すので口裏を合わせて欲しいことなどわがままだがお願いしてみた。

 すると、すぐに心配しないで任せてくれと連絡が来た。
 どうやら、清水物流のお父様が力になって下さるとのこと。

 お父様は自殺未遂したときに、匠さんが誠心誠意謝ってくれたことや堂本社長にも恩があるという。
 また、隆専務や石井社長のことを今回のことで見限っていて、場合によっては離婚しろと言っているらしい。

 私は一応、さくらさんのいとこという扱いになった。
 名前も、お父様のご実家の清水を名乗る。会社での名前は清水遙香。
 
 そして、マンションも清水遙香の表札だが、契約者は清水物流の社長。
 今すんでいるところは、住所転居届けを出すことでどうだろうと提案された。

 場所は茨城の水戸はどうかと言われた。
 水戸に支社があるらしい。
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