アネモネ

未練が無いと言えば嘘になる、、が
私にしてやれる事はもう残されていない。




いつまで経っても名残りは尽きない、、

それが愛する人との別れと言うものだ、


上りの汽車がホームに入るのを見計らって意を決した。


「母上、どうかお達者で!」

深々とお辞儀をし踵を返すと、私は振り返りもせずに汽車に飛び乗った。


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