アンコール マリアージュ
 「ガーデン、真菜です。控え室、様子はどうですか?」

 インカムで問いかけると、希の返事があった。

 「控え室、希です。写真撮影、ほぼ終了。いつでも出られます」
 「了解しました。そちらに向います」

 真菜はもう一度、列席者の前に立ち、もう間もなく始まりますと告げてから、急いで控え室に戻る。

 「お二人、準備はよろしいでしょうか?」

 真菜が新郎新婦を交互に見ると、お二人は真剣な表情で頷いた。

 「緊張しないで下さいね。今日はとっても幸せな日なんですから。皆様の笑顔が溢れる、素敵な結婚式にしましょう」

 そう言って真菜が笑うと、お二人も輝く様な笑顔を見せた。

 「控え室、真菜です。これより新郎新婦のお二人、ガーデンへご案内します」
 「梓、了解」
 「久保、了解」
 「有紗、了解です」

 次々とインカムに返事があり、真菜はお二人を振り返って頷くと、控え室を出た。
< 178 / 234 >

この作品をシェア

pagetop