アンコール マリアージュ
 ガーデンに着くと、梓から説明を受けた。

 「お身内の方は、新郎新婦それぞれの側に座って頂きました。ご友人は、お二人の共通の方が多いので、人数を見て別れて頂いてます。あと、ブーケセレモニーについては、簡単にご説明済みです」
 「ありがとうございます」

 頼れる先輩に感謝し、真菜は牧師のもとへ行く。

 ブーケセレモニーの流れと、リングガールの確認をする。

 「リングガールは、新婦様のお兄様ご夫婦の娘さん、琴美ちゃん、4才です。あちらにいらっしゃいます。琴美ちゃーん!」

 真菜が手を振って呼ぶと、琴美はにっこり笑って手を振り返してくれた。

 真菜は改めて、列席者に挨拶し、ブーケセレモニーについて説明する。

 そして有紗が、1人1輪ずつ、バラの花を渡していく。

 「わー、綺麗」
 「これを渡せばいいんだね?」
 「はい。新郎様がお近くにいらしたら、お祝いの言葉と一緒にお渡し下さい」

 真菜は、列席者の間を縫って、説明していく。

 「はい、琴美ちゃんも。これを、かっこいいお兄様に渡してね!」
 「うん!」

 琴美は、ワクワクした様子で、母親と繋いだ手をゆらゆらさせながら笑った。
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