アンコール マリアージュ
 「ん?どうしたの拓真くん。食べないの?」

 真菜が聞くと、拓真は真剣な表情で顔を上げた。

 「真菜、ちょっと話聞いてくれるか?」
 「え?ああ、うん」

 戸惑いつつも箸を置き、真菜も姿勢を正す。

 「真菜、俺さ、ずっと前から好きだったんだ」
 「ああ、うん。そうだよね、知ってる」
 「え、知ってたの?」
 「うん。そりゃね、分かるもん」
 「そ、そうだったのか。いや、俺はてっきり気付いてないと…」
 「気付くよー、そりゃ。あんなに熱く語ってれば、誰だって」
 「え、熱く語ってた?俺が真菜に?」
 「うん。でも、あの、言いにくいんだけど…」

 視線を落とした真菜に、拓真は、ゴクッと唾を飲み込む。

 「な、なんだ?」
 「うん、あのね。やっぱり、諦めるのって、無理かな?」

 えっ…と拓真は絶望する。

 「ごめんね!こんな事言って。でも、多分見込みないと思うんだよね。拓真くん、傷つくと思う」
 「見込み?見込みって、真菜の見込み?」
 「私のって言うか、他のみんなもそう思ってると思うよ。だってあんなにお似合いの彼がいるんだもん」
 「え!誰?その彼って」
 「何言ってんの。陸くんに決まってるでしょ?」

 …は?

 拓真は文字通り固まった。
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