これが恋だなんて、知らなかったんだよ。




え……?と、勝吾くんのここまで消えそうな声は逆に笑ってしまいそうになる。



「はあ!?あげたって…意味わかんねーって!あれ再販されるの半年後なんだぞ!?」


「…うん。ごめんね」


「ごめんじゃねーって!!俺がどんなに楽しみにしてたと思ってんだよ!!」



本当に、面白い。

勝吾くんが喋っていくたびに、私はどんどん悲しくなるの。



「勝吾くんのためにアルバイトして、勝吾くんのためにシフトも増やして。やっと、やっと買えたんだけど…」


「そうだろ!?なのになんで他の奴なんかに渡してんだよ…!!」



あなたは他の男の子に“私が”あげちゃったことに怒ってるんじゃなく、他の男の子に“ゲームを”あげちゃったことに怒っていること。



「でも私、その人に渡したときのほうが…勝吾くんにプレゼントするより、嬉しかった」


「……はあ?」


「だって初めて…ラッピングしてることに気づいてくれたから。大切にするって、言ってくれたから」



あなたはいつも貰ったらその場で開けてしまう。


あれだってちゃんと毎回選んでいるんだよ。

どんな柄にしますか?って、店員さんに聞かれてね。

包装代で300円取られちゃうの、知らないでしょう?



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