これが恋だなんて、知らなかったんだよ。
「桜乃が居なくなったら困るし俺」
ゲームが手に入らなくなるから───、
自分の頭のなかだけ、本音を付け足した。
「ふふっ、でもあたしも~。あたしだってナツくんと別れる気はないし、ナツくんが居なくなったら困る!」
みんなから羨ましがられる人形が無くなっちゃうから───、
三好くんには申し訳ないけれど、私の頭のなかにはこんなふうに広がった。
「ね?ナツくん」
「…変わったね、セレナ」
「えへへ、またダイエットにも成功したし、カットモデルとかもたくさん受けてるからかなあ~?」
どうして気づかないんだろう。
そういう意味で言ったんじゃないよ三好くんは。
こんなにも切ない顔、初めて見た…。
「しょっ、勝吾くん!」
並んだ帰り道。
そんなに張りつめた声を出してどうしたんだと、それくらいのボリュームで。
3人は足を止めて、そして私へ顔を向けてくる。
「勝吾くん、私…ゲーム、買ったの」
「えっ、まじ!?」
「うん。開店時間前から並んでね、男の人ばかりのなかで並んで、」
「さんきゅ!!すげー嬉しい!!」
「でも、…他の男の子にあげちゃった」