乙女戦隊 月影 〜恥じらいの戦士〜
校門を出て、しばらくすると、九鬼は加奈子を道に降ろすと、学園の外壁にもたれさせた。

「この子は?」

あたしは、気を失っている加奈子の顔を覗き込んだ。

知らない子だ。

一年ではない。

「あたしと同じ、二年の平城山加奈子だ」

九鬼は、加奈子の体勢を変え、背中側から両肩を掴むと、気合いを入れた。

「そして、乙女ソルジャー」

「乙女ソルジャー!」

あたしは驚いた。

九鬼は頷き、

「敵の幹部に、操られていた」


「う、う、うん…」

加奈子は気がついた。

ゆっくりと目を開けた加奈子は、いきなり視界に映った九鬼に、声を上げて驚いた。

「ま、真弓!」

座りながらも、手だけで加奈子は九鬼から逃げた。

「な、何もしてないからね!け、今朝は何かあったけど…い、今はし、してない」

しどろもどろになる加奈子を、九鬼は冷静に見つめ、

「体はどう?大丈夫?」

加奈子の全身を確認した。

「そ、そりゃあ〜昨日のあたしとは、違うけど…って、どうしてあんたが知ってるのよ!ま、まさか!あんた、見たと、とか」

妙に、狼狽える加奈子を見て、九鬼はほっとした。

「何とか…大丈夫のようね」

微笑みながら、九鬼は眼鏡を返した。

加奈子は受け取った眼鏡に、目を落とした。

「こ、これは?」



「フッ」

九鬼は立ち上がった。

「今日はもう遅い。明日説明するわ」

そう言って、加奈子から離れようとした時、

校門の方から、悲鳴が聞こえた。


「夏希!」

悲鳴は、夏希の声だった。

あたしと九鬼は、校門に向かって走った。

「え!ど、どうしたの!」

置いてきぼりになった加奈子は、九鬼達の背中に手を伸ばした。
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