乙女戦隊 月影 〜恥じらいの戦士〜
「忠司!早く自首して頂戴!」

母親の悲痛な叫びに、絶句したモロダシ・ダンこと忠司のあれが、項垂れた。

「ど、どうして…俺が、もと忠司だと…」

正体が露出したことが、信じられない忠司に向かって、母親は拡声器を警官に持って貰うと、あるものを広げ、上に掲げた。

「そ、それは!?」

忠司は驚いた。

シミのついた…それは、まさしく!

「俺のパンツ!」

「そうよ!あなたが、脱ぎ捨てたパンツよ!」

母親が掲げるパンツには、名前がマジックで書いてあったのだ。

「あ、ああ…あれは!俺の自由を奪っていた拘束具!俺の傷!」

「あなたのよ!忠司い!」

2人のやり取りを端から見ていたあたしと夏希は、ここにいることが恥ずかしくなってきた。

「帰る?」

夏希の言葉に、

「そうね」

あたしは、頷いた。

2人で回れ右をして、帰ろうとすると、

「逃がすか!」

忠司が、こちらに下半身を向けた。なぜか、元気だ。

「もう正体が、ばれた俺は、普通の世界には戻れない!せめて…最後は怪人として、貴様を倒す!」

元気なあれを、あたし達に向けて、

「モロダシ!アタック!」

突進しょうとした。


「ぎゃあ!」

あたし達は、逃げようとしたが、

なぜか、忠司は助走の格好で、固まっていた。

「逃がすか…」

いつのまにか変身していた乙女どどめ色の持つ包丁が、後ろから忠司のお尻の割れ目に突き刺さっていたのだ。

乙女どどめ色は、包丁を突き刺さすとすぐに変身が解け、加奈子に戻り…気を失った。

「ううう…」

悶えだす忠司は、絶叫した。

「ケツが、本当に割れたああああ!」



その忠司の叫びは、外の警察にも聞こえた。

何かあったと異変を察知すると、

「突入!」

警察は一斉に、校舎に飛び込んだ。
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