乙女戦隊 月影 〜恥じらいの戦士〜
「どうしてここに…。今の学園は」

驚き戸惑う祖母に、蘭花は微笑みながら、理事長を目で見回した。

「校長達の支配下にありますわ。だけど、月影のメンバーも揃って来ましたし…やつらから学園を取り戻す機会が来たと思いまして」

蘭花は、どこからか…あるものを取り出した。

「そ、それは!」

思わず声を荒げた祖母に、クスッと蘭花は笑った。

「最近、偽者が蔓延っているようですけど…真の黒を継ぐ者は、わたくしですわ」

「蘭花…」

自信たっぷりの孫を見て、理事長はため息をつくと、言葉を続けた。

「一年前…。この学園で起こった…不可思議な事件。警察は犯人を見つけることができませんでした。しかし、当時生徒会長だった牧野深雪さんや多くの生徒が命を落としたり、身体に障害を抱えることになった生徒もいました。私は、その責任を取るかたちで、学園の運営から退いたのです。今いらっしゃる…多くの教師も、あの事件後に赴任された方が殆ど」

瞼を落とす祖母を見て、蘭花は肩をすくめて見せた。

「あの事件は、闇の連中が起こしたもの。警察に解決できる訳がありませんわ。それに、恐らく…校長も関わっている」

校長と言う言葉を発する瞬間、蘭花は目を細めた。

「彼の素性は、調べましたが…怪しいところはありませんでした。だけど…闇の信者であることは間違いありません」

「お婆様」

蘭花は、手にしたものを突き出した。

「今は、あの偽者にわたくしの代わりをさせておきましょう。偽りの乙女ソルジャーであるけども、闇の三柱神を倒したのですから、やつらも彼女をマークするはず。その隙に、わたくしは例のものを探しますわ」

蘭花は、口許を緩めた。

「乙女ソルジャーを超える力…ガーディアンの力を!」

そして、突き出したものを握り締めた。
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