神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜
Ⅶ〜後編〜
――――――…時は、少し遡る。




『オオカミと七匹の子ヤギ』が作り出した、ベリクリーデのドッペルゲンガーを退治したのは良いものの。

問題は、これからだった。

ドッペルゲンガー曰く、本物のベリクリーデは、断絶空間に閉じ込められているとか。

これを探し出すのは、並大抵のことではない。

…だが、それが何だと言うのか。

選択肢は一つだろう。

何としても、ベリクリーデを助けに行く。

それだけだ。

それ以外のことは、何も考えなくて良い。

…何も。

だから俺は、真っ先に…二人の同僚のもとに向かった。

幸い今日は、二人共特に任務がないようで、隊舎に残っていた。

…丁度良い。

この二人にだけは、事情を説明しておくとしよう。

「キュレム、ルイーシュ…。ちょっと良いか」

何せ、俺一人では、少々役不足だからな。

少しだけ、この二人に協力してもらいたい。
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