カラダダケの関係に依存していた私の話

八方美人

 私は物心ついた時から八方美人だったらしい。


これは、後に異常な生活を母に打ち明けた時に聞いた話だ。


私と姉は人見知りの時期がさほどなかった。


出かけ先で誰かれ構わず話かけに行く姉。


対して私は、話しかけに行く前にその人を観察して内容と態度を変えていたらしい。


我ながら恐ろしい子どもだ。


その面では成長しても変わらなかった。


八方美人という武器は、異常な生活を彩る上で強力なアイテムとなった。




その生活の始まりがいつかと問われればそれは12歳、私に初めての彼氏ができた頃だろう。


周りの友達が恋バナに花を咲かせる中、私だけ好きな人がいなかった。


好きな人が欲しかった。


みんなと同じように盛り上がりたかったし、ときめきを感じたかった。


そんな時告白してきてくれたのは6年間クラスが同じで仲の良かった友達。


顔が1番整っていたし、シャイだけど優しい人。


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