あなたに好きと言えるまで
また私は貴方に好きと言えなくなってしまった、
いや、もう永久に此の胸の内を貴方に伝える事が出来ないかもしれない、
あの思い出ノートに書かれた女の子のように、私の初恋は流れ星のごとく儚く消えてしまうのだろうか。
好きな人に彼女がいるかいないかでは大違いだった。
彼に対してどこか遠慮してしまう自分、遠目に眺めることも憚れて、彼の姿を見つけても見続ける事はできないでいた、特定の人のものだから。きっと妻子持ちの人を好きになった状況と同じだ。もう好きでいられない、好意を寄せてもならない、ただ、ただ自分の心の中でしか愛せない。
惨めだった、恋する自由が不自由だなんて、、私は初めて知った。
それから6ヶ月後
めっきり寒くなった11月下旬、
「美幸、ちょっと来て!」
放課後、教室の出入口で廊下から顔を覗かせて美智子が大声で私を呼んだ、
「もう! 声が大きいって、恥ずかしいでしょ」
美智子は急足で私の席まで歩み寄ると、肩に腕を回して拉致するように人気のない場所へと私を連れ去った、
「なに! そんなに慌てて」
腕を解いて向い合うと、今度は私の両肩に手を置いて子供を諭す様に話し始めた。
「落ち着いて聞いてよ」
説得力がない、
「まず、あなたが落ち着きなさい!」
「別れたよ! 君嶋くんと河崎さん」
「えっ、、本当に?」
信じられない、まだ半年ぐらいしか経ってないのに、
「私の予想通り、河崎さんから別れを告げたみたい」
君嶋くんがフラれた? でも、もともと彼女からの告白だから、彼がそんなに落ち込む事はないか。
「君嶋くんは、今どんな心境なんだろう」
「これがさ、美幸にはあまり言いたくないけど、君嶋くんの方が夢中になってたみたいで、凄く落ち込んでるよ」
そうか、それはまた問題だ。嬉しいけど素直に喜べない、複雑な想いが交錯していた、