あなたに好きと言えるまで

その話から三日後に、天文部のお昼の当番が回ってきた、彼はどんな気持ちでいるのだろうか、私は何を話せばいいのだろう、何か彼にしてやれることはあるのだろうか。
会いたいけど今は会いたくない、早めに昼食を終えた私は憂鬱な気分のまま屋上へと足を運んだ。

入り口の鍵は私が預かっているので、彼が先に着いてもドームの中に入ることは出来ない、私が行くまで手摺に掴まりぼんやりと遠くを見つめている事が多い。

その日も彼は冷たい風に向かって目を細め、身動き一つせず遠くを眺めていた。

私が好きないつもの優しい眼差しではなかった、物憂げで寂しげな影を宿している。そんな彼を遠目に見ながら心の中で訴えていた、

君嶋くん、お帰りなさい、また私は貴方を好きでいて良いですか、、遠くから見ていても良いですか、勇気を出して告白しても、、良いよね。
貴方は誰のものでも無くなったんだから。私のものでなくてもいいけど、貴方が人のものになるのは嫌、想いを寄せる事も出来なくなっちゃうから、次は絶対私が告白するからね、それまて待ってて下さい。

彼女と別れた事など知らないフリをして明るく声を掛けた、
「君嶋くん、久しぶり」
「白河さん、、」

振り向いた彼の表情は、予想以上に暗かった、
「どうしたの、元気ないじゃん」

「そう見える? 、、」

「何か悩みごと?」

話しづらいのだろうか、彼は言い淀んでいる。

「白河さんだから話すけど、実はさ、彼女と別れたんだ、、」

知ってるよ、、知ってるけど、
お願いだから、そんな悲しい顔をしないで、、
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