白杖くんは、恋を知った
待ち合わせ場所に着いた。待ち合わせに僕たちがよく使うのは、駅の近くにある広場。大きな噴水が有名で、よく待ち合わせの場所に使われることも多いらしい。

「えっと、星来さんはどこだろう……」

キョロキョロとぼんやりとした視界の中、星来さんを探す。当然パッと見ただけじゃ、僕は誰が誰なのかわからない。耳に意識を集中させて、聞こえてくる声で星来さんを探す。

「星来〜、こんなとこで何してんの?」

「デート?あの星来が?」

星来さんの名前が聞こえ、僕は声のした方へと歩く。ベンチの辺りで声がした。どうやら、星来さんはベンチに座っているようで、その周りに誰かがいるみたいだ。星来さんの学校の友達かな?

「デート……まあ、一応デートってやつなのか?男子と二人きりなわけだし」

星来さんの声が聞こえ、僕の心臓が跳ねる。デートだと星来さんは思っているの?何だろう、この気持ち。お姉ちゃんに言われた時は否定したくせに!
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