再会から始まる両片思い〜救命士の彼は彼女の心をつかまえたい〜
「気に入ってくれた?」

「はい!」

「実は今日はのどかに伝えたいことがあるんだ」

さっきまでの彼とはなんだか雰囲気が違う。ちょっと緊張していて、私までその緊張が移ってしまう。

「回りくどく考えてしまうのは俺の悪い癖だ。ストレートに言う。俺と結婚して欲しい」

まさか。

きちんと付き合い始めてまだ3ヶ月。
こんな話が出るなんて想像もしていなかった。
私は彼の顔を穴が開くほど見つめてしまう。

「まだ付き合い始めたばかりだと分かっているよ。でもいつかのどかが誰かに攫われてしまうんじゃないかと心配なんだ」

「そんなこと……」

「ないとは言えない。のどかは美人だ。性格もいい。君に惹かれる男なんてたくさんいる」

裕さんが心配するほど私はモテない。声だってかけられないもの。だから要らぬ心配なのに……。でもそれほどに私を思ってくれているってことなんだよね。

「私はそれほどモテません。でも、私は裕さんと一緒にいたいと思っています」

「ありがとう。絶対に幸せにする。だから君の人生を俺にください」

彼はポケットからリングケースを取り出した。そしてパカっと開けるとダイヤが輝くリングを取り出した。そして私の左手を手に取ると薬指にはめてくれた。

「綺麗……」

「1年前、初めてのどかに会った時からずっと惹かれていた。偶然病院で会えたのは運命だとさえ思っていた。素直に誘えば良かったのにこんなに遠回りしてしまった」

運命……。
私だってあの時彼がいたから心強かった。彼がいなければ手を止めていたかもしれない。彼に「もう大丈夫だ」と言われた時どれだけ安心したかわからない。
力強い言葉は私を支えてくれた。
彼の働く姿を見て心から尊敬した。
私に甘くて、自分に厳しいストイックなギャップにも惹かれた。
私だってもう彼以外には考えられない。

「私もあの日あなたに救われました。あの日は私たちの運命の日ですね。これから先もずっとあなたと一緒にいたいです」

やっと言葉を紡ぎ、彼に応えることができた。
ぎゅっと抱きしめられ、耳元で愛してると囁かれた。
お腹の奥がぎゅっと苦しくなり、私はこの気持ちをどう表現したらいいのかわからない。
しがみつき、彼を見上げると目が合い、すぐに唇が重なった。

「告白は誤解し、謝罪してからの始まりだっただろ。場所はのどかのマンションのエントランス。付き合って欲しいと流されるように告白してしまってシチュエーションも何もなかった。だからプロポーズだけはカッコつけさせてもらいたくてここを選んだんだ」

ガーデンを見渡すとプールに反射するイルミネーションが本当に幻想的で素敵。
こんな素敵な場所でプロポーズされたなんて信じられない。

「ありがとう。すごく印象に残るプロポーズでした」

「言葉だけじゃない。これからずっとのどかを守り続けるって誓う。大切にする」

「うん」

私はもう何の不安もない。
彼のストレートな言葉や態度に、不安を感じる暇もなくなった。
守り続けるって言われてときめかない訳がない。
彼は本当に守ってくれると信じている。
片思いで終わらず、両思いになれるなんて本当に奇跡だと思った。

END
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