もう、オレのものだから〜質実剛健な警察官は、彼女を手放さない〜
「……まぁ、次もオレが安全、安心の象徴でいられるかどうかの保証はしないが」
「えっ⁉︎ゲホッ……!」
ところが突然放り込まれた魅惑的な表情とセリフに、私は今しがた口に入れたばかりのねぎまを詰まらせてしまう。
そんな私に「大丈夫か」と、しれっとビールジョッキを差し出してくれる彼。
それを再びグイッと煽って何とか呼吸と気持ちを落ち着けた私は、
「びっくりしました……。犬飼さんでも、そんな冗談言ったりするんですね……?」
と涙目のまま彼を覗き込む。
だけどそれに返ってきたのは、咽せたせいで私の頬にハラリと落ちてきたサイドの髪を、頬杖をつきながらそっと耳に掛けてくれる色気ある仕草と蠱惑的な微笑。
それと。
「その髪も」
「え?」
「可愛い」
不意打ちの時間差追加爆弾のみで。
「っ、」
それらにひたすら混乱する私を面白そうに眺めた犬飼さんは、次の瞬間にはその手を引っ込めて何食わぬ顔で話題を変えてしまうから。
……え?冗談なの、冗談じゃないの、どっちなの……⁉︎
冗談だとしたら、どこからどこまでが……⁉︎
結局私はしばらくの間、上の空でそれに相槌を打ちながら、胸のドキドキが治まらなくて大変だった。