敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~
「ご、ごめんなさい……! 決して叶多くんの仕事を恨んでいるわけじゃないの」
「わかってるよ。少しも寂しがってもらえないより、ずっと嬉しい」
離れている間は勝手にひとりで強がって、こうして顔を合わせたらわがままになるなんて幼稚すぎる。
なのに、そんな私のすべてを広い心で受け止めてくれる叶多くんに、ときめきと切なさを同時に覚えて胸が苦しい。
ほんの束の間一緒にいられるだけなのに、どんどん彼を好きになってしまう……。
そうこうしているうちに部屋の前に到着し、叶多くんがドアノブに取り付けられたスマートロックに自分のスマホをかざし、玄関の鍵を開けた。
まだ誰も住んでいないだけあって、どの部屋モデルルームのように生活感がなかった。
二十畳ほどの広々としたLDKには、ふたりでは持て余してしまうほど広いL字ソファ、正面の壁に掛けられている大型テレビ、ガラスのローテーブルが配され、景色のいい窓際に小さなイスとテーブルのセットが置かれている。
ダイニングセットは六人掛けで、開放感のあるペニンシュラキッチンの奥には、落ち着いたグレーの巨大冷蔵庫が見えた。