敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~

 今の時代、カフェの美味しいコーヒーをデリバリーで自宅に届けてもらうことももちろんできるけれど、それでは意味がないのだ。少しの間でいいから外に出たい。

 目を向けた窓の外は晴天。空も太陽も背中を押してくれている気がした。

 私はさっそくスマホで近所の内科クリニックとカフェを調べ始める。が、途中からはカフェの情報ばかり気になって、食欲がないのに料理やドリンクの写真まで眺めた。

 お気に入りの一軒を見つけると、続けて内科クリニックの診療をネット予約する。

 午前中の受付にギリギリ間に合ったため、その時間から逆算してちょうどよくタクシーがマンションに来てくれるよう、同じくネットで予約を済ませた。

「……なにを着ていこう」

 こんな時、実家にある自分のワードローブが懐かしくなってしまうが、取り寄せるわけにもいかない。

 この家のクローゼットにもともと用意されていた服の中からライトブルーのシフォンワンピースを選んで着替えると、パウダールームに移動した。

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