敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~
帰国まで日数がなかったので急いで任務を遂行し必要な情報を得ると、間もなく日本に帰れる日がやってきた。
美来がどうしても『空港に迎えに行きたい』と言うので、厳重に注意するよう言い聞かせ、許可した。俺自身、早く彼女に会いたいという思いが募っていたのもある。
飛行機は日本時間の昼前に羽田に到着し、美来に【着いた】とメッセージを送る。
彼女からの連絡はとくにないのでまだ移動中かもしれない。
到着ロビーのベンチにいったん荷物を置き、周囲をそれとなく見回していた、その時。
「城後叶多さん……ですか?」
遠慮がちに近づいてきたひとりの女性が、なぜか声をかけてきた。
肩の上で切りそろえられた丸いボブヘアが印象的な、若い女性だ。彼女はスマホと俺の顔とを見比べ、自信のなさそうな顔をしている。
「そうですが、あなたは?」
「私、八束家で家政婦をしております、京本と申します。もっときちんとご挨拶したいのですが、時間がありません。美来様を助けたいので、一緒に来ていただけませんか?」
美来の家の家政婦……? それに美来を〝助けたい〟とはどういうことだ?