敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~

「私は、美来様ご本人にはあなたの味方だと言いながら、時折藤間様に美来様の情報を渡していました。今住んでいる場所も偶然知っていて……言わないでおこうと思っていたのに、彼に頼まれると嫌とは言えなくて」
「もしかして、弱みでも握られているのですか?」
「……ええ。見透かされているんです。私がまだ、彼を愛していること」

 京本さんは声を震わせ、膝の上でギュッと手を握る。

 彼らの意外なつながりに驚くとともに、彼女が藤間を〝助けたい〟と言ったことに合点がいった。

 黙ったまま耳を傾けていると、京本さんは続ける。

「藤間様とは事情があって別れましたが、美来様がスペインから帰国された日……一緒に八束家にやってきた彼に、突然キスをされて頼まれたんです。『協力してほしいことがある』と。持っていたティーカップを落として割ってしまうくらい驚きましたが、彼に必要とされることに喜びを感じる自分もいて……葛藤しながらも彼の操り人形になることを選んだんです」

「なるほど。それで、時々藤間に美来の情報を」

「すみません。美来様は城後様を一途に思ってらっしゃるから、彼の行動は裏目に出るばかり。そんなことを繰り返すうち、目を覚ましてくれるんじゃないかと期待していたんです。でも、逆にエスカレートしていくばかりで……今日の計画に至りました」

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