敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~
「思ったより使えない女だったな。飴を与えるために、一度抱いておくべきだったか?」
清十郎さんの心無い発言に思わず泉美さんの方を見ると、彼女は痛みをこらえるようにギュッと目を閉じ、胸の前で会わせた両手を握りしめていた。
「……どこまで腐っているんだ。彼女はずっとお前を心配していたんだぞ」
「そんなこと、頼んだ覚えはない」
「いい加減にしろ!」
叶多くんが声を荒らげても、壁に背中を預けた清十郎さんは気だるそうな表情をしている。
「一度愛した女性をこれ以上傷つけるのはよせ。もちろん、美来のこともだ」
叶多くんの放った『愛した女性』と言う言葉に、目を見張る。
泉美さんと清十郎さんは恋人同士だったの……?
「いちいちうるさい男だな。説教をするくらいなら、一発俺を殴ったらどうだ? その方が気が済むだろう」
どうぞ殴ってくださいと言わんばかりに、清十郎さんが自分の頬をトントンと指さす。
しかし叶多くんは彼の挑発に乗ることなく、冷静に続けた。