敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~

 中には難しい言葉もあったけれど、翼なりに解釈し、納得したようだ。

 こんなとき、外交官である彼のことを改めて素敵だと思う。

 彼が日系企業の海外進出を後押しするのは、なにも日本経済のためだけではない。現地で仕事にあぶれている人の働き口を増やして地域住民の生活水準をを引き上げ、地域を活性化させる狙いもあるのだ。

 どの土地へ行っても、彼の願いはひとつ。世界中の人と手を取り合い、お互いを尊重して平和に暮らすことだから。

「僕も、大人になったらパパみたいな仕事がしたいな」
「そうか。大変だけどやりがいのある仕事だ。しっかり勉強しないとダメだけど、本気で目指したいなら応援するよ」
「ママも応援する」

 まだ本気かどうかわからないし、これからも翼は色んな夢を抱くだろう。

 だけど、翼が自分で決めたことなら私たちは温かく見守るつもりだ。

「ありがとう」
「ちーちゃんも、にーにーがんばえ、すゆ」

 仲間に入りたかったのだろう。千星もそう言って、お子様ランチ風にして出してあったチキンライスの旗を取り、小さな手で振った。どうやら応援しているつもりらしい。

< 218 / 220 >

この作品をシェア

pagetop