敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~
「俺もだ、美来。きみを悲しませるような男となんて、結婚させない」
叶多は愛おしげに目を細めると、両手で私の頬を包み込み、額同士を合わせる。
「ありがとう、叶多くん」
「もう黙って。余計なことは考えず、俺に集中して」
「んっ……んぅ……っ」
深い口づけに声を奪われ、甘い幸福に包まれながら彼の首に腕を回した。
叶多くんの手が肩の輪郭を撫でるとともに、キャミソールワンピースの細い紐をするりと下ろしていく。顔中に熱が集まり胸の鼓動は暴れ、緊張は最高潮に達していた。
しかし、その時。私の耳はスマホの微かな振動音をとらえ、ハッと我に返った。
私に覆いかぶさる叶多くんも、スマホの置かれたサイドテーブルをちらっと見やる。
スマホは未だ振動を続けているので、どうやらメールの類ではなく電話がかかってきているようだ。
「ご、ごめんなさい。電話みたい」
「……どうぞ」
叶多くんが一旦私の体の上からどき、私はテーブルのそばに移動する。
手に取ったスマホの画面には【着信 藤間清十郎】と表示されており、私は思わずスマホを裏返してテーブルに戻した。
しばらくして留守番電話に切り替わったらしくスマホはおとなしくなるが、直後にまたしつこく鳴り始める。