敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~
「出ないのか?」
ぎし、とベッドを軋ませ、叶多くんが背後に近づいてきた。
「うん……」
「誰から?」
「清十郎さん……例の、許嫁の」
こちらは深夜だが、日本は今頃朝だ。もしかしたら、スペインに発つ直前の連絡かもしれない。
清十郎さんが迎えに来てしまう……。
叶多くんとのことを悲劇にするつもりはないと大見得を切っておきながら、途端に不安が胸に広がる。
「気にするな。焦らせておけばいい」
叶多くんは後ろからギュッと私を抱きしめ、そう言った。
「うん……」
「それか、電話に出てありのままを伝えるかだ。今、男とベッドの上にいるって」
「そ、それはさすがに……っ」
「恥ずかしい? 俺はむしろ、思い知らせてやりたいけどな」
叶多くんは独占欲を滲ませた低い声で囁き、うなじにチュッと口づけをする。
ぞくぞくとした感覚が背筋を走って、小さく肩が震えた。
「で、電源、切るね……」
「ああ。これ以上、邪魔されたくないからな」