敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~

「八時半か……」

 現在時刻を何気なく呟いた直後、メッセージの通知が画面に現れる。

 覚悟はしていたが清十郎さんからで、昨日の深夜、何度も電話をかけてきた後に送ってきたようだ。

【どうやらマドリードにいるらしいな。お前のパソコンからホテルの予約確認のメールを見た。手間を掛けさせるな。マドリードへの到着はそちらの時間で午後四時十分。空港に現れなかったらただじゃおかない】

「メールって……どうして」

 実家の私の部屋に勝手に入られたと思っただけでも寒気がした。その上、パソコンにはロックが掛かっているはずなのに、どうやって解除したんだろう。

「美来」

 そのとき、背後から叶多くんに呼ばれ、振り向こうとしたところをギュッと抱きしめられた。続けて耳に軽く口づけされ、くすぐったさに身じろぎするが、叶多くんの腕ががっちり私を掴んで放してくれない。

 下着とスウェットパンツは身に着けたようだけれど、上半身は裸のまま。逞しい胸から直接伝わる体温に、胸が高鳴った。

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