敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~

 視線を絡ませ、素直な気持ちを伝える。

 もうあと数時間しか一緒にいられないかもしれないのだ。食事も観光も、今はどうでもいい。一分一秒でも長く、叶多くんを感じていたい。

 私たちはそれからほとんどの時間をベッドの上で過ごし、剝き出しの本能をぶつけ合うように抱き合った。

 途中で避妊具が尽きてしまったけれど、お互い求める気持ちを抑えることができなくて、彼の吐き出す愛も欲も全部、体の中に受け止めた。

 決して無責任だったわけじゃない。叶多くんの赤ちゃんなら、本気でほしいと思えたから――お腹の奥に温かいものが注がれる感覚も、とても神聖で尊いものに思えた。





「……藤間清十郎。話が通じる相手であってほしいと思う反面、きみを手放すと思うと、とことん嫌な奴であってほしいと願ってしまうな」

 午後四時前、マドリード・バラハス空港に向かうタクシーの中でも、私たちはお互いの手を握り合っていた。

 私はハーフアップにした髪にトレドで買ったバレッタを、スーツを身に着けた叶多くんは、お揃いのネクタイピンを着けてきた。

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