敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~

 約束の十分前に、到着ロビーに着いた。私は叶多くんと寄り添ってベンチに座り、清十郎さんが現れるのを待つ。

 昨日、ここへ着いたばかりのときはワクワクしていたのに、今はなんだかどこを見ても、色あせた景色に映る。

 悲観的にならないと決めたのに、沈み込んでいくばかりの気持ちを持て余すこと十数分。

 やがて、到着口の方から歩いてくる清十郎さんの姿を見つけた。身長一七〇センチ強、緩いパーマで波打つ焦げ茶色の前髪から、一重瞼の鋭い切れ長の目が覗いている。

 職業柄普段は和服を纏うことの多い彼だが、今日は和柄の開襟シャツにブラックデニムを身に着けたラフな服装。ポケットに片手を入れ、不機嫌そうな顔で空港内を見回している。

「叶多くん、来たわ」
「彼か。……行こう」

 早足で清十郎さんの元へ歩み寄っていくと、彼もまた私たちの姿に気づく。

 大切な人と会わせたいということはメッセージで伝えてあったため、叶多くんの姿を見ても清十郎さんの表情が変わることはなかった。

「初めまして、城後叶多と申します」
「藤間です」

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