貴女は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─
ビグローは空色の瞳に涙を浮かべて、俺を見つめながら、己の手を撫でた。
気持ち悪かった。
優秀だと聞いていたが、頭がおかしい。


学院長からはビグローが学院に馴染めるように、生徒会長としてフォローして貰いたいとは頼まれていたが、こんな女とは関わりたくなくて、生徒会唯一の女性である婚約者のクロエにビグローの事をお願いしたのだった。


クロエにしても、俺に頼まれたから仕方なく、
あの女の世話をしていたんだぞ?
それなのに苛めていた、だと?


噂の内容をシャルルが説明する。

①放課後にビグローの教科書を盗み出して、
破いて使えなくした。

②中庭の噴水にビグローを突き飛ばして、制服を濡れさせた。

③階段の踊り場からクロエがビグローの背中を押して怪我をさせた。
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