Rhapsody in Love 〜二人の休日〜


遼太郎はベッドの上に置いてあったロングカーディガンを手に取って、みのりの肩に羽織らせた。


「先生、風呂入れてるんで、先に入ってきてください。その間、朝食の準備しておきます」


そう言ってくれる遼太郎の表情を、みのりはジッと見てから頷いた。


「うん、ありがとう。遼ちゃんが作ってくれる朝ごはん、久しぶりだね」


と言いながら、みのりは立ち上がると浴室へと直行した。

バスタブの中にはお湯が張られてあり、浴室は温かい空気に満たされていた。シャワーにかかってお湯に浸かると、みのりはホッと息をついた。


遼太郎がいつものように優しくしてくれることに、心が緩んでポロリと涙が零れて落ちた。


「……遼ちゃん……」


遼太郎が優しいことは、誰よりも知っている。
その穏やかで優しい遼太郎が、昨夜は別人のようだった。

お湯に浸かるみのりの体に残る愛撫の痕跡。それは体の最奥部にも刻み付けられ、今でも疼くようだ。

戸惑いはあるけど、嫌ではない。むしろ、あんなにも愛されていることに、胸が甘く侵されて苦しくなる。
そして、みのり自身も遼太郎を深く深く愛していることを自覚して、涙が止まらなくなる。


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