Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「先生?そろそろ起きませんか?もう10時ですよ」
遼太郎の心地よい声が聞こえて、みのりはうっすらと目を開いた。
目の前には優しい切れ長の目をしたいつもの遼太郎がいて、みのりはにっこりと笑いかけて両手を伸ばした。誘われるように遼太郎が顔を近づけると、みのりはその首に腕をまわす。
「おはよう」
と囁かれながらみのりの腕にギュッと力が入ると、遼太郎はみのりに覆いかぶさるようになり、その体の奥にある甘い衝動も目が覚める。
そのまま昨夜の続きをしたくなったが、昨日の後悔を思い出して理性を振り絞った。
遼太郎は裸のままのみのりの背中に腕をまわし、力を込めるとベッドの上に起き上がらせた。
ハラリと布団が取り払われて、みのりの上半身が露わになる。本来ならばみのりの胸の美しさに目を奪われているところだが、遼太郎が目に留めたのは、そこにある無数の痛々しい赤い印だった。
すべて遼太郎の激しい愛撫の痕跡。特に昨夜は、場所も選ばず、キスの強さもコントロールしなかった。それどころか、「ダメ!」と言われているのに、無理やりそれを着けてしまった。
とっさに遼太郎は謝りたくなったけれど、昨夜のことを蒸し返すと、せっかくみのりが明るく可愛く目覚めてくれたこの雰囲気が台無しになる。