Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「は?キスマーク?…なんか痒くて搔きむしった痕じゃないのか?」
とにかく俊次は、みのりの彼氏=自分の兄、という事実をまだ認知していないらしい。胸をなでおろしながら、遼太郎はいつもの冷静さを取り戻しつつあった。
「いや、違うね。それに、今日は手首にもキスマークがあったんだよ?昨日はなかったのに…、これはもう、彼氏だろ!?」
遼太郎はまたギクリと体を硬くした。そして、俊次の観察眼に言葉を逸した。
俊次の推理は、バッチリ当たっている。そんなことができるのは、彼氏だけに決まっている。
そんな見えるところに自分の印を付けてしまったことを、遼太郎は今更ながらに改めて後悔した。俊次だけでなく、他の人にそれを見咎められて、みのりが困ってしまう事態に陥っていないか心配になる。
それとも、そんなみのりの細かい変化に気づくことのできたのは俊次だけで、それだけみのりのことを慕っているということなのかもしれない。
遼太郎はため息を一つ吐くと、兄らしい口調で言った。
「……彼氏かどうかは俺には分からないけど、興味本位で友達や母さんにも言ったりするなよ?」
「誰にも言わねーよ!俺、そこまでバカじゃねーし!……てか、兄ちゃん」