Rhapsody in Love 〜二人の休日〜




それは、みのりが自分を犠牲にしてもいいほど、遼太郎を想っているということだ。

そして、遼太郎もみのりのすべてを愛しているからこそ、みのりがどんなふうに考え行動するのか、切ないくらいに分かってしまう。


だけど、みのりだって、遼太郎と一緒に生きる未来を望んでいないわけではない。ただ、その想いの深さゆえに、遼太郎を縛ってしまうことを頑ななまでに恐れているだけだ。


——いや、やっぱり。俺が自分できちんと考えて、答えを出さないと……。その答えが、先生も納得してくれるものだったら、何も問題ないんだから……。


この悩みは、切ない痛みを伴っている。でも遼太郎は、みのりを想うときのこの痛みが嫌いではなかった。

どんなことでもみのりを心に宿すと、心が震えて生きていることを実感できる。

遼太郎はもう一度深呼吸して目を閉じ、心の一番深いところで、ただみのりのことだけを想った。






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