Rhapsody in Love 〜二人の休日〜

・OB会





ラグビー部のOB会が行われた日は、晴れ渡って朝は冷え込んだものの、新年の清々しい空気を存分に感じられる格好の試合日和となった。

俊次は午後1時からと言っていたが、それは現役のラグビー部員たちの集合時間で、OBより1時間早く集まり、近くの大嶋神社までランニングを兼ねて初詣に行くことになっていた。

OBが集まるのは2時からだと遼太郎に聞いたみのりは、その時間に合わせて第2グラウンドへと赴いた。


第2グラウンドには既に、たくさんのOB達が集まっている。そして、その奥さんや子どもと思われる家族もその周辺で立ち話をしたり、遊んだりしている。

OBの家族でもないのに、こんな所へのこのこと一人でやって来て、きっと『あの人は誰?』と囁かれるに違いないと、みのりは出来るだけひっそりと姿を現したつもりだった。


「あーっ!!みのりちゃん!」


いち早くみのりを見つけ、しかも、周りが思わず振り返るほどの大声で名前を呼んだのは、二俣だった。

相変わらず仔犬が飼い主のもとへ駆け寄ってくるように、二俣がみのりのもとにやって来る。スパイクシューズに履き替えている途中だったらしく、右と左がかたちんばの状態だった。


二俣とは、夏休みに会いにきてくれた時以来だ。あの時、二俣の前で感情を吐露し、泣きじゃくってしまったこともあって、みのりはちょっと決まりが悪かった。


「明けましておめでとう。二俣くん、元気そうだね」


恥ずかしそうに笑って、無邪気な二俣に言葉をかける。



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