Rhapsody in Love 〜二人の休日〜



「今日は、何の課題をやるの?日本史?」


いつもは進捗状況を確認するだけのみのりだったが、この日は特に差し迫った仕事があるわけでもないし、俊次も日本史の課題をすることもあって、ずっと横について勉強を見てあげた。


久しぶりにみのりが横にいる感覚に、俊次は落ち着かないようだったが、しばらくすると課題をすることに没頭して、どんどん課題をこなしていく。論述問題のところはまだ難しいみたいだけれど、みのりが手助けしてあげると、うまくまとめて自分の文章を作り上げられる力もついてきた。しみじみと成長を感じながら、俊次の隣で課題を進めるのを見守った。


遼太郎と面影が被る俊次の横顔を見つめながら、遼太郎ともこうやって時を過ごしたことを思い出した。

今は、お互いの境界線がなくなるほどに抱き合う遼太郎とも、3年前はどんなに近くにいても触れ合うことはなかった。それでも、見つめていられるだけで心が満たされた。いつも胸が高鳴って、愛しい思いが募っていた。


「みのりちゃん…って、俺の兄ちゃんもこうやって教えてたんだろ?」


今まさに考えていたことを見透かしているような俊次の問いに、みのりは一瞬戸惑った。


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