Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「……え?こうやって?」
「兄ちゃんにも、こうやって個別指導してたんだろ?」
「うん。してたけど?」
別に隠す必要はないので、みのりも正直に答える。
「兄ちゃんにしてたから、俺にも個別指導してくれてるの?」
俊次のこの問いに、みのりは一瞬思考が止まってしまう。どうして俊次は、こんな疑問を生み出してしまったのだろうか。
「遼っ……太郎くんと俊次くんが兄弟だからっていうのは、全然関係ないよ。そもそも俊次くんが個別指導を始めたきっかけって何だった?課題を全くしなかったからでしょ?」
みのりは無意識に〝遼ちゃん〟と言いそうになったけれども、俊次はそこには気にも留めなかった。
「じゃあ、兄ちゃんにはどうして個別指導してたの?」
「え……」
みのりは言葉に詰まってしまった。遼太郎は課題をしていなかったわけでもなく、これという必要があって個別指導をしていたわけではない。
今更ながらに、みのりは気が付いてしまう。自分にとって遼太郎が、最初から〝特別〟な生徒であったということを。