Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
愛とおしゃべりすると、いつもみのりは心が軽くなって癒される感じがする。相手は生徒なのに、みのりはこの愛に助けられたことが多々あった。
「うん。朝寝坊したから朝ごはん兼お昼ごはんを買いに」
「そっか、冬休みだから学校の購買も閉まってるもんね」
「愛ちゃんは、補習?」
「そう、午後からだけど。その前に自主勉するために早く来たんだ」
「頑張ってるんだね。年が明けたら、すぐに試験だもんね」
朝から悠長に遼太郎とイチャついてきたみのりと違って、大学入試を控える愛は寸暇を惜しんでる感じだ。
みのりは、先程まで個別指導をしていた俊次のことが口まで出かかったけど、やめておいた。今の愛にとって俊次のことは、雑念にはなっても、頑張るための原動力にはまだなり得ないと思ったから。
もちろん、愛にとって俊次が大切な存在には違いないけど、今は余計なことを言って受験勉強の妨げとなってはいけないし、こんな所に引き留めておくわけにもいかない。
みのりは自分のためのサンドイッチと一緒に、高カカオのチョコレートを買い、
「頑張ってね」
と言って、それを愛へと渡した。