Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
みのりは横目で見ながら引っかかったところを外そうとしたが、なかなかうまくいかない。
「何やってんだよ、みのりちゃん。もっと絡まってるじゃんか。ちょっ、俺がやるし!」
「う…、ごめんなさい」
みのりがおとなしく腕を下ろすと、俊次が覗き込んで絡まり解き始める。すると、俊次の手にかかれば、ものの数秒で絡まりは解けた。
しかし、その瞬間のことだった。みのりのうなじへと向けられた俊次の視線が、そこにある赤い印を捉えた。
その印はドキリと俊次の心臓を直撃して、その体をこわばらせた。
「ああ、俊次くん。ありがとう」
それが何か判別がつかないまま、みのりに声をかけられて我に返る。
「それじゃ、また明日ね。9時からで部活に間に合う?」
「うん……」
俊次が辛うじて頷くと、みのりはにっこりと優しい微笑みをこぼして、職員室へと戻って行った。
朝ごはんを食べてないみのりは、さすがにお腹が空いて、近所のコンビニまでブランチを買いに外出した。
そこで、二俣の妹の愛に出会った。
「あれ?みのりちゃん。買い物?」
と、いつもの明るい笑顔で話しかけてくれる。