Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「古庄先生、もしイノシシに遭遇したら、どうやって身を守ればいいんですか?」
「は……?」
脈絡のない遼太郎の問いに、古庄は口をポカンと開けた。
「さっき、庭にイノシシがいたって言ってたから……」
「ああ!」
遼太郎の問いの理由が分かって、古庄も朗らかになる。その表情の何とも言えない端麗さに、遼太郎は男ながらに固まってしまう。どうしてみのりがこの男のことを好きにならなかったのか、疑問に思うくらい。
「普通は何もしなければ、イノシシの方から逃げていくんだよ。棒で追い払ったり石を投げたり、下手に威嚇したりなんかすると、向こうも命の危険を感じるから攻撃してくる」
「それでも、もしイノシシが逃げてくれなかったら、どうしたらいいんですか?」
「まず、興奮させないこと。背中を見せて逃げたりすると、後ろから突かれる。狩野くんでもイノシシより速くは走れないから。ゆっくりと背中を見せないように下がって離れて、物陰に隠れるのが得策かな。イノシシは動くものに反応するからね」
「じゃ、興奮して攻撃きてきたら、どうやって防げばいいんですか?」
この話題にしつこく食い下がってくる遼太郎に、古庄は眉根を寄せながらも真面目に考える。
「うーん。そうだなぁ…。どうでも接触が避けられない時は、足を閉じて太ももの内側を守ること」
「太ももの内側?!」