Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「だけど、ねえさんはそんな〝いい男〟の俺と三年もずっと一緒にいたのに、全く〝その気〟にならなかった。その間、ねえさんはラガーマンの〝いい男〟のことをずっと想い続けたてたんだろ?…と言うことは、ねえさんにとってその男は、俺よりもずっといい男だってことだよ、狩野くん!俺にヤキモチなんて、そもそも焼く必要なんてないんだよ!」
古庄はそう言いながら、最後にポンと遼太郎の背中を叩いた。遼太郎は唇を噛みながら、恥ずかしそうな笑みを零す。
「何の話してるの?」
その時、背後からみのりの声が響いた。遼太郎と古庄、どちらも同じように驚いた顔をして、みのりへと振り返った。
「…あ!私の話、してたんでしょ?!」
「ハハ!ねえさんには隠し事はできないな。狩野くんの知らないねえさんに関するエピソードを、いくつかね」
みのりに対して嘘がつけない遼太郎とは違い、古庄は上手に誤魔化した。
「どうせ私が〝やらかした〟ことなんでしょう?」
「ねえさんがやらかしたことって、話題に事欠かないからね」
いろいろ想像がついてしまう遼太郎が、思わずプッと息を漏らしてしまう。
そんな遼太郎を見て、みのりは顔を真っ赤にさせた。
「何話したの?古庄先生のバッチリプリントにコーヒーをぶちまけたこと?」
「あー、あれはねえさんが気を利かせてくれたのが、裏目に出たんだよな」