Rhapsody in Love 〜二人の休日〜


古庄はフッと、遼太郎を包み込んでくれるような笑みを向けてくれた。
その表情が本当に麗しくて心地良くて、遼太郎はポワンと一瞬夢を見ているような感覚になる。


こんなに完璧な古庄なのに、心から愛することのできる人と出会えないなんて、どうしてだろうと思ってしまう。


「狩野くん。狩野くんは、俺のことをいい男だと思うか?」


突拍子もないことを質問されて、遼太郎はびっくりして古庄をじっと見つめた。

相手が古庄のようなイケメンでなくても、ここで空気の読める人間ならば、「いい男じゃない」なんて言わない。この問いは、言わば古庄の誘導のようなものだった。


「そりゃ、もちろん。顔だけじゃなく、スタイルも中味も。古庄先生をいい男と言わなかったら、この世の中にいい男なんて誰もいません」


遼太郎は古庄の誘導に乗ったわけでも、お世辞を言ったわけでもなく、本心からそう答えた。

これまで遼太郎が〝いい男〟になりたいと思い、いつも思い浮かべていたのは、高校1、2年の頃ラグビー部の顧問をしてくれていた石原だった。
今日、その〝いい男〟のカテゴリーの中に、古庄が加わった。古庄のようには到底なれないと思うけれど、遼太郎は古庄のことがとても好きになった。


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