誰も口には出さないけれど、わかる。



みんな、島に賭けている。



この旅の計画を立てるときに重要視したのは、何が彼を刺激するかということだった。



だから私は、去年の婚前旅行のことを思い出して、候補をふたつあげた。



ひとつは、ひめゆりの塔。



でもそこは、彼というよりは私の思い入れが強い場所だから却下。



そしてもうひとつが、「神の島」。



あの島に行ったとき、自然のあまりの美しさと圧倒的な迫力に何も言えなくなった。



そして、ふたりでただ黙って海を眺め続けていた。



そのときの感動を再現できれば、もしかして…。



すぐには無理でも、きっと心に響くものがあるはずだ、と私は強く思った。





< 190 / 234 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop